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映画『たしかにあった幻』とは?珠玉の人間ドラマが描く「愛」と「命」
公開日:2026年01月31日
更新日:2026年01月31日
映画『たしかにあった幻』とは?珠玉の人間ドラマが描く「愛」と「命」
河瀨直美監督の最新作『たしかにあった幻』が、2月6日(金)よりテアトル新宿ほかにて全国公開となります。本作は、“愛のかたち”と“命のつながり”をモチーフに、日本の失踪者と心臓移植の現実を重ねて描く、まさに珠玉の人間ドラマです。
物語の主人公は、フランスから来日し、神戸の臓器移植医療センターで小児移植医療の促進に取り組む移植コーディネーターのコリー(ヴィッキー・クリープス)。しかし、西欧とは異なる日本の死生観や倫理観の壁に苦悩する日々を送っていました。そんな中、コリーは一年前に旅先の屋久島で謎めいた青年・迅(寛一郎)と運命的に出会い、壮大な自然の中で時間を共にし、惹かれ合います。しかし、コリーの自宅で暮らし始めた迅は定職にもつかず、家族のことを尋ねても曖昧な答えを返すばかり。しだいにお互いの気持ちと時間はすれ違い、迅は突然コリーの前から姿を消してしまいます。
「本当にあなたはいたの?」と泣き崩れるコリー。コリーと迅の二人の心にある“たしかにあったもの”とは一体何なのでしょうか。この映画は、実在しないものがあるかのように見える「幻」という言葉に、「たしかにあった」という相反する言葉を組み合わせることで、二項対立を超えた新しい思想を提案しています。河瀨監督にとって6年ぶりの劇映画、そして8年ぶりのオリジナル脚本となる本作は、先進国の中でドナー数が最下位という日本の臓器移植医療と、年間約8万人にのぼる日本の行方不明者問題という、二つの大きなテーマを深く掘り下げています。
河瀨監督はこれまでも、『あん』(2015年)では差別と偏見の中で生きる人々の歓びを、『光』(2017年)では失われゆく視力の中で見出される新たな愛を、『朝が来る』(2020年)では特別養子縁組で救われた命の尊さと二人の母の絆を描いてきました。旧来の常識や血縁とは異なる、他者との関係性の中に存在する「愛」を描き続けてきた監督が、「死」が終わりではないという気づきの先に、移植医療が人の命を繋いでゆき、「生」の意味を問いかける本作は、第78回ロカルノ国際映画祭でワールドプレミア上映され、河瀨監督のマスターピース(傑作)と評されています。
豪華キャスト陣が織りなす繊細な人間模様
主人公コリーを演じるのは、『ファントム・スレッド』(2017年)や『蜘蛛の巣を払う女』(2018年)などで知られるルクセンブルク出身のヴィッキー・クリープスさん。聡明な大人の女性でありながら、時には少女のような無邪気さや脆さをうかがわせ、孤独と向き合う繊細な心の揺らぎとそれゆえの限りない優しさを全身全霊で演じ切っています。
コリーが屋久島で運命的に出会う謎めいた青年・迅には、若手実力派として注目される寛一郎さん。さらに、尾野真千子さん、北村一輝さん、永瀬正敏さんといった、日本映画界を代表する実力派キャストが顔を揃え、物語に深みを与えています。彼らが織りなす繊細な人間模様が、観る者の心に深く響くことでしょう。
河瀨直美監督自ら編集!中野公揮氏のテーマソング特別映像が解禁
この度、本作の音楽を担当した中野公揮さんによるテーマソング「Yakushima’s illusion」に合わせて、河瀨直美監督が本作のシーンを繋いだ特別映像が解禁となりました!劇中映像に加えて、日本公開版の本編には無い未公開映像も使用されている、まさにスペシャルな映像です。
映画の世界観を彩る音楽:中野公揮氏の才能
本作の音楽を担当した中野公揮さんは、東京藝術大学で作曲を学び、2014年よりフランスを拠点に活動されています。2020年には、ダミアン・ジャレ振付によるパリ・オペラ座委嘱作品『Brise-Lames』の音楽を担当し、翌年には同作のガラ公演に出演するなど、世界的な注目を浴びています。ISSEY MIYAKEのパリ・コレクションのほか、パリ・オペラ座、リンカーン・センターなど国際的に演奏活動を行う、まさに才能あふれるアーティストです。
そんな中野さんの才能に惚れ込んだ河瀨監督は、自身がプロデューサーを務めた昨年の大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater – いのちのあかし -」の音楽も中野さんに依頼しました。そして、本作『たしかにあった幻』の音楽も中野公揮さんが担当し、メインテーマ「Yakushima’s illusion」の音楽が出来上がってきた時、河瀨監督は次のように絶賛しています。
映画の中で交わされた言葉や時間、それらが走馬灯のようにめぐる感覚を得ました。何度も何度も「愛」を信じていられる感覚です。
河瀨監督自身が「愛」を信じられる感覚と評する中野さんの音楽が、本作の世界観をより深く、そして感動的に彩っています。
未公開シーンも!エモーショナルビジュアル6種も同時解禁
特別映像の解禁とあわせて、臓器移植コーディネーターの主人公コリー(ヴィッキー・クリープスさん)と、コリーが屋久島で運命的に出会う迅(寛一郎さん)の二人の出会いと別れ、歓びと哀しみ、様々な表情を切り取ったエモーショナルビジュアル6種も解禁されました!これらのビジュアルは、映画の持つ繊細で感情豊かな世界観を凝縮しており、観る者の心に深く訴えかけます。
特別映像には、劇場公開される本編には無い未公開シーンも一部使用されており、映画への期待がさらに高まりますね。
◆『たしかにあった幻』テーマソング「Yakushima’s illusion」特別映像
YouTube: https://youtu.be/mtvX3ml9Qlk
◆エモーショナルビジュアル

© CINÉFRANCE STUDIOS – KUMIE INC – TARANTULA – VIKTORIA PRODUCTIONS – PIO&CO – PROD LAB – MARIGNAN FILMS – 2025
監督が語る「愛」と「生」の問いかけ
河瀨監督が本作に込めたメッセージ
河瀨直美監督は、本作で「幻」という言葉に「たしかにあった」という言葉を重ねることで、論理的には成立しない表現の中に、新しい思想を提案しています。これは、先進国の中でドナー数が最下位という日本の臓器移植医療の現状や、年間約8万人にものぼる日本の行方不明者問題といった、社会的なテーマを深く掘り下げながらも、その根底には常に「愛」と「生」への問いかけがあります。
監督はこれまでの作品でも、旧来の常識や血縁とは異なる、他者との関係性の中に存在する「愛」を描き続けてきました。本作では、「死」が終わりではないという気づきの先に、移植医療が人の命を繋いでゆき、「生」の意味を問いかけるという、非常に深いメッセージが込められています。観る人それぞれが、自身の「愛」や「生」について深く考えるきっかけとなるでしょう。
ロカルノ国際映画祭が絶賛!マスターピースと評された理由
『たしかにあった幻』は、第78回ロカルノ国際映画祭でワールドプレミア上映され、河瀨監督の「マスターピース(傑作)」と評されました。この評価は、監督が長年培ってきた独自の映像美と、人間存在の根源に迫るテーマ設定が高く評価された結果と言えるでしょう。
日本の社会が抱えるデリケートな問題を扱いながらも、普遍的な「愛」と「命」のつながりを描くことで、国境を越えて人々の心に響く作品となっています。世界が認めた河瀨監督の新たな傑作を、ぜひ劇場で体感してください。
公開情報&関連リンク
映画『たしかにあった幻』を劇場で体験しよう!
河瀨直美監督の最新作『たしかにあった幻』は、2月6日(金)よりテアトル新宿ほかにて全国ロードショーです。この感動の人間ドラマを、ぜひ劇場の大スクリーンでご鑑賞ください。
出演
ヴィッキー・クリープス
寛一郎
尾野真千子
北村一輝
永瀬正敏
中野翠咲
中村旺士郎
土屋陽翔
吉年羽響
山村憲之介
亀田佳明
光祈
林泰文
中川龍太郎
岡本玲
松尾翠
早織
小島聖
平原テツ
利重剛
中嶋朋子
スタッフ
監督・脚本・編集:河瀨直美
製作: CINÉFRANCE STUDIOS 組画
プロデューサー: DAVID GAUQUIÉ, JULIEN DERIS, 河瀨直美
音楽:中野公揮
撮影:鈴木雅也, 百々新
照明:太田康裕
録音:Roman Dymny, 森英司
美術:塩川節子, 小林楽子, 橋本泰至
編集:Tina Baz
サウンドデザイナー:Roman Dymny, Arnaud ROLLAND
サウンドミキサー: Emmanuel DE BOISSIEU
スタイリスト:望月恵
ヘアメイク:寺沢ルミ
スチール:山内悠
監督補:北條美穂
助監督:甲斐聖太郎
制作プロデューサー:齋藤寛朗
アソシエイトプロデューサー:平川晴基
制作プロダクション: CINÉFRANCE STUDIOS 組画
制作協力:カズモ
日本宣伝・配給: ハピネットファントム・スタジオ
フランス配給:advitam
インターナショナルセールス: CINÉFRANCE STUDIOS
公式サイト:https://happinet-phantom.com/maboroshi-movie/
公式X:@maboroshi_film
公式Instagram:@maboroshi_movie
著者
あつめでぃあ編集部
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