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綾野剛が語る!映画『星と月は天の穴』撮影初日、柄本佑との“ピストルセリフ”秘話に迫る!
公開日:2025年12月18日
更新日:2025年12月18日
『星と月は天の穴』とは?日本映画界の巨匠が描く愛と性の真髄
日本映画界にその名を轟かせる脚本家・荒井晴彦監督が、長年の念願だった吉行淳之介による芸術選奨文部大臣受賞作品を映画化した最新作、それが『星と月は天の穴』です。
荒井監督は、『Wの悲劇』(84)や『ヴァイブレータ』(03)、『共喰い』(13)など、数々の名作でキネマ旬報脚本賞に5度も輝いた、まさに日本を代表する脚本家です。また、『身も心も』(97)や『火口のふたり』(19)、そして前作『花腐し』(23)など、自らメガホンを取った作品では、常に人間の本能たる〝愛と性〟を深く掘り下げ、観る者の情動を激しく揺さぶってきました。
本作『星と月は天の穴』では、過去の離婚経験から女性を愛することを恐れる一方で、愛されたい願望をこじらせる40代の小説家が主人公。エロティシズムとペーソスが巧みに織り交ぜられながら、彼の日常が綴られていきます。
主人公の矢添克二を演じるのは、荒井監督とは『花腐し』(23)でもタッグを組んだ実力派俳優、綾野剛さんです。これまでにない、枯れかけた男の色気を発露させ、過去のトラウマから女性を愛すること、愛されることを恐れながらも求めてしまう、心と体の矛盾に揺れる滑稽で切ない唯一無二のキャラクターを創り上げています。
矢添と出会う大学生・紀子を演じるのは、新星・咲耶さん。女性を拒む矢添の心に、無邪気に足を踏み入れていく姿が印象的です。また、矢添のなじみの娼婦・千枝子を演じるのは、田中麗奈さん。綾野さん演じる矢添との絶妙な駆け引きは、女優としての新たな境地を切り開いています。さらに、柄本佑さん、岬あかりさん、MINAMOさん、宮下順子さんといった実力派俳優陣が脇を固め、本作ならではの独特な世界観を創り上げています。
映画の裏側を知ることで、作品への期待感がさらに高まりますね。
綾野剛と柄本佑、初日から息ぴったり!「ピストルのような速度のセリフ」に驚き
今回、ついに解禁となったのは、映画『星と月は天の穴』の撮影初日のメイキング写真と場面写真です。クランクイン初日は、綾野剛さん演じる矢添と、彼の大学時代の友人が会話を交わすシーンからスタートしました。
この友人を演じたのは、荒井組にはもはや欠かせない存在の柄本佑さんです。助監督の竹田正明氏によると、綾野さんと柄本さんという、荒井組を知り尽くした俳優同士のシーンから始めることで、現場のリズムがスムーズに出るのではないかという配慮があったそうです。そのため、本編でも冒頭にくる重要なシーンで撮影が始まったとのこと。
日本映画界屈指の名キャメラマンで、荒井映画の全ての撮影を担当してきた川上皓市氏をはじめ、気心の知れた盤石のスタッフが集結した現場は、活発な会話が飛び交い、キャストとスタッフという境界線がない、一体感のある雰囲気だったそうです。
そんなファーストシーンについて、主演の綾野剛さんは、柄本佑さんとの共演をこう振り返っています。
佑くんの声を初日から聞けて、“柄本佑フリーク”の自分としては、堪らない時間でしたし、朝からあのピストルのような速度のセリフを浴びることができて……それはもうただただ幸せでした。段取りのとき、佑くんの早いセリフ回しが心地よくてずっと見ていたら、自分のセリフを忘れてしまいましたから(笑)
綾野さんのコメントからは、柄本さんの演技に対する深い敬意と、現場での和やかな雰囲気が伝わってきますね。
一方、3度目の荒井組参加となる柄本佑さんは、荒井監督との印象的なエピソードを明かしてくれました。
荒井組って撮影が順調に進めばスムーズに終わってしまうので(笑)僕のシーンは2時間ないくらいの短い時間でした。荒井さんは自分が書かれたホン(脚本)のセリフを役者がどう咀嚼して持ってくるかというのを愉しまれているところもあるので、“こうしてくれ”“ああしてくれ”というのはあまり言われないんですが、撮影が終わった後お昼休憩に入って“荒井さん、じゃあまた”と声をかけたら、『(撮影現場から)自宅が近いからうちに来て弁当食って行くか』と言われて。驚いて『え!』って言ったら荒井さんが『コーヒーくらい出すぜ』って言ってくれて、なんか荒井さんの脚本の中のセリフみたいだなと思ったのが印象的でした(笑)
荒井監督のユニークな人柄が垣間見える、貴重なエピソードですね。そして、綾野剛さんとの共演については、このように回想しています。
綾野さんは初日の一発目なのに『花腐し』でかなり濃密に荒井さんと過ごされているので、バッチリと矢添という役を掴んで、脚本の世界にどっぷりと浸かっているなという印象でしたね
初日から完璧に役を掴んでいたという綾野さんのプロフェッショナルな姿勢が伺えます。
キャストやスタッフの信頼関係が、作品の質を高める重要な要素だと改めて感じます。

© 2025「星と⽉は天の⽳」製作委員会

© 2025「星と⽉は天の⽳」製作委員会
新星・咲耶との出会い、綾野剛の座長としての信頼感
綾野剛さんと柄本佑さんのシーンに続いて撮影されたのは、画廊で初めて矢添と、咲耶さん演じる紀子が出会う重要なシーンでした。この出会いのシーンが、咲耶さんにとって綾野さんとの初共演、そして映画出演ほぼ初めてのファーストカットだったため、現場には良い緊張感が生まれたそうです。
荒井監督、川上キャメラマン、そして綾野さんは、演者の立場から、このシーンの構成を相談しながら進めていったとのこと。助監督の竹田正明氏は、綾野さんの現場での姿勢について、次のように語っています。
綾野さんは『自分がこうしたい』と主張することはなく、荒井さんや川上さんがやりたいことを理解した上で、『だったら、僕がこうしたらどうですか?』という受動的な立場でクリエイティブな話し合いに参加してくれた。これは前作から引き継がれていることではあるが、今作はより荒井さんの意図を汲んで、より荒井さんと相談しながら表現しようとしているように感じられた
綾野さんが、監督やスタッフの意図を深く理解し、それを踏まえた上で自身のアイデアを提案するという、非常にクリエイティブで建設的な関わり方をしていることがわかります。また、メインキャストでの映画出演がほぼ初めてとなる咲耶さんに対しても、綾野さんは積極的にシーンのあり方を話し合っていたそうです。
竹田氏は、そのおかげもあって「咲耶が堂々とそこに立っていたのかもしれない」と語り、さらに初日の綾野さん演じる矢添の印象をこう振り返っています。
初日、佑さん、咲耶と並んだ綾野さんの矢添像は、人間として微妙な何かが決定的に欠けているのに、どこかゆったりと自信に溢れていて、発している文学的な言葉も相まって、いい意味でちょっと変なズレ方をした相当面白い人だな、と可笑しく感じた
このコメントからは、綾野さんが演じる矢添というキャラクターの複雑さと、その魅力が伝わってきますね。
荒井監督が「真面目な人」と評し、咲耶さんも「綾野さんの優しさと気遣いに多々助けていただいた、綾野さんがお相手で幸運だった」と語る通り、作り上げる役柄だけでなく、座長として、そして人間として、綾野剛さんが現場で多大な信頼を寄せられている様子がよくわかるエピソードでした。
現場でのコミュニケーションが、作品の深みを増す大切な要素ですね。

© 2025「星と⽉は天の⽳」製作委員会
映画『星と月は天の穴』作品概要
最後に、映画『星と月は天の穴』の基本情報と、物語のあらすじをご紹介します。
作品タイトル:『星と月は天の穴』
公開表記:12月19日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー
配給表記:配給 ハピネットファントム・スタジオ
コピーライト表記:© 2025「星と月は天の穴」製作委員会
STORY
いつの時代も、男は愛をこじらせる――
小説家の矢添(綾野剛)は、妻に逃げられて以来10年、独身のまま40代を迎えていました。離婚によって心に空いた穴を埋めるように、娼婦・千枝子(田中麗奈)と時折り軀を交え、妻に捨てられた傷を引きずりながらやり過ごす日々を送っていたのです。そして彼には恋愛に尻込みするもう一つの理由がありました。それは、誰にも知られたくない自身の“秘密”にコンプレックスを抱えていることでした。そんな矢添は、自身が執筆する恋愛小説の主人公に自分自身を投影することで「精神的な愛の可能性」を探求していました。ところがある日、画廊で運命的に出会った大学生の瀬川紀子(咲耶)と彼女の粗相をきっかけに奇妙な情事へと至り、矢添の日常と心が揺れ始めます。
キャスト・スタッフ
キャスト:
綾野剛
咲耶岬あかり
吉岡睦雄
MINAMO
原一男
柄本佑
宮下順子
田中麗奈
脚本・監督:荒井晴彦
原作:吉行淳之介「星と月は天の穴」(講談社文芸文庫)
スタッフ:
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介
プロデューサー:清水真由美、田辺隆史
ラインプロデューサー:金森保
助監督:竹田正明撮影:川上皓市、新家子美穂
照明:川井稔
録音:深田晃
美術:原田恭明
装飾:寺尾淳
編集:洲﨑千恵子
衣装デザイン:小笠原吉恵
ヘアメイク:永江三千子
インティマシーコーディネーター:西山ももこ
制作担当:刈屋真
キャスティングプロデューサー:杉野剛
音楽:下田逸郎
主題歌:松井文「いちどだけ」他
写真:野村佐紀子、松山仁
アソシエイトプロデューサー:諸田創
製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:キリシマ一九四五
制作協力:メディアミックス・ジャパン
レイティング:R18+
上映尺:122分
映画の公開が今から待ち遠しいですね!ぜひ劇場で、この深い物語と俳優陣の熱演を体験してください。
著者
あつめでぃあ編集部
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