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映画『楓』とは? スピッツ名曲が織りなす感動の物語
公開日:2026年01月25日
更新日:2026年01月25日
映画『楓』とは? スピッツ名曲が織りなす感動の物語
スピッツの名曲「楓(かえで)」を原案にした、忘れられないラブストーリー、映画『楓』(配給:東映/アスミック・エース)が大ヒット上映中です。
本作の物語は、事故で双子の弟を失った涼が、弟の恋人・亜子に弟と間違えられたまま恋人として過ごすという、切なくも衝撃的な展開から始まります。しかし、亜子もまた<秘密>を抱えていました。真実を言えないまま惹かれあってしまう2人の運命が交差するとき、驚きと涙が止まらない、この冬一番の感動作が誕生しました。
監督を務めるのは、多様な恋愛映画を手がけてきた行定勲監督。『世界の中心で、愛をさけぶ』に続く令和を代表するラブストーリーに挑んでいます。そして、オリジナルストーリーを書き上げたのは、『ソラニン』『東京リベンジャーズ』などジャンル問わず常に評価される脚本家・髙橋泉さん。音楽は、藤井風さんなど様々なアーティストの作曲や編曲、プロデュースを務め、優れた楽曲をCM・映画・ドラマなど多方面に提供するYaffleさんが担当しています。
物語の主人公を演じるのは、福士蒼汰さんと福原遥さん。双子の弟・恵を失った涼を福士さんが、残された恵の恋人・亜子を福原さんが演じます。弟のフリをする涼、秘密を抱えた亜子、大切な人を失った2人がそれぞれ葛藤を抱えながらも、希望を見出していく姿を温かく映し出しています。
熱狂の夜!行定監督×青木マッチョが語る『楓』の魅力
公開以来、スピッツの名曲が彩る切なくも温かい物語が大きな話題を呼んでいる映画『楓』。そんな本作をめぐり、1月20日(火)にT・ジョイ PRINCE 品川にて、監督・行定勲さんと、スピッツをこよなく愛する芸人・青木マッチョさん(かけおち)が登壇するスペシャルトークイベントが開催されました。

Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会
映画を観終えたばかりの観客の拍手に迎えられた青木さんは「素晴らしい、きれいな映像の映画の後にマッチョが出てきて申し訳ないなという気持ちですが…(苦笑)」と恐縮していましたが、行定監督は「(青木さんが出演する)『ラヴィット!』をよく見ています。保護猫に嫌われる青木マッチョとか(笑)」とノリノリで語り、青木さんも緊張がほぐれた様子でした。
本作をこれまで3回観たという青木さんは「そもそも自分はスピッツが本当に好きで、その中でも特に『楓』が一番好きだったんですよ」と告白。そして映画について、その熱い想いを次のように語りました。
スピッツの独特の空気感が映像を通して感じられましたし、僕は謎解き要素、ミステリーも好きなので、前半で『ん? どういうこと…?』というのが出てきて引き込まれて、中盤の双子だったというところからの展開がメチャクチャ楽しくて…。そんな展開がありながら、導入歌として、途中でいろんなアーティストの方の『楓』が流れていましたが、最後は満を持して、本家スピッツが流れて……、今までもメッチャ聴いてきたけど、初めて聴いた時を超えるような、鳥肌が立つような感覚で、気持ちよかったし、沁みたという感じで素晴らしい映画でした!

Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会
青木さんの熱弁は、会場の観客の心にも深く響いたことでしょう。
「楓」が2Dから3Dに!深まるスピッツ愛と映画の秘密
青木マッチョのスピッツ愛の原点
青木さんは、どのようにしてスピッツにハマり、「楓」に出会ったのでしょうか。尋ねられると「スピッツを知ったのは中学の時で、音楽にハマった時期にバンドとかパンクロックとかいろんな曲を聴く中で出会って、聴いたことのない雰囲気、空気感を感じました」と述懐しました。
ドラムを演奏するという青木さんは、「(ドラムで)スピッツをやってみようと思ったら、メチャクチャ難しいんですよ。ゆったりしたテンポの曲が多いから簡単かと思ったら、メチャクチャ細かい技が入っている。そういう一見、ゆったりしているのにすごい技術が入ってるというのがカッコイイ!」と、ミュージシャンならではの視点からスピッツの奥深さを語りました。その中で「楓」は、「冬の匂いが好きみたいな感覚に近いんですけど、ああいう雰囲気がすごく好きで、草野(マサムネ)さんのとびきりキレイな声が『楓』で一番ふんだんに使われているような気がして、それを贅沢に聴ける」と、楽曲への特別な想いを吐露しました。

Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会
行定監督が語るスピッツ楽曲の哲学と映画制作の挑戦
行定監督は青木さんの言葉に「嬉しいですね。スピッツのファンは曲者が多くて(笑)、カラオケで歌う程度ではなく本当に好きな人は、曲をそれぞれで解釈するんですよね。あれだけ言葉に重きを置かれているにもかかわらず、曲を聴くと、そうは聴こえない。哲学的、思想的な押し付けがないんですね。さっきのドラムの話もそうで、難しいことを簡単に見えるようにやっていて深い。平易な言葉を使っているのに深いんです。詩人としても相当すごい!」と、スピッツ楽曲の持つ哲学的な魅力に深く共感しました。
さらに監督は、「その映画をつくるって、なかなかハードルが高いって思いながらつくっていたので、気に入っていただけて良かったです」と、名曲を映画化することの難しさと、完成した作品がスピッツファンに受け入れられた喜びを語りました。

Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会
青木さんは、行定監督の言葉に深くうなずき、「スピッツの曲は想像するところが多いし、聴く人によって聴こえ方、解釈の仕方がみんな違うんです。僕はこの映画を観たことで、(『楓』という曲が)2Dから3Dになったような、立体感を持った『楓』に感じました」と称賛を送りました。映画が楽曲に新たな奥行きを与えたという、まさにファンならではの視点ですね。
ラストに本家「楓」を配置した監督の深い意図
最後に流れるスピッツの歌う「楓」について「新曲が出たくらいのテンションで聴ける」と、これまでと全く違う聴こえ方がしたと絶賛する青木さん。行定監督は、劇中で他のアーティストたちによる「楓」を使用しつつ、最後の最後で本家スピッツという構成について「最初からそうしようと思っていた」と迷うことなく決めたと振り返ります。
(映画の途中で)与え過ぎると台無しになってしまう。スピッツの曲自体、あまりたくさん与えてくれなくて余白が多く、それが心地よいので、最後にスピッツが流れて本当の回収――“感情の回収”があるようになるといいなと思いました。
監督のこの言葉からは、スピッツ楽曲への深い理解と、観客の感情を最大限に引き出すための緻密な演出意図がうかがえます。
福士蒼汰の双子役、驚きの演出秘話
さらに、青木さんからも行定監督に映画について質問が。「福士蒼汰さんが演じた双子の涼と恵について、『同じ人間でもしっかり別人に見えましたが、映像的にこだわったところや撮り方で気にされたことはありましたか?』」と尋ねると、行定監督は驚きの演出を明かしてくれました。
むしろ『あまり演じ分けないでほしい』と言いました。『ひとりが二つに分かれた』という解釈でやったらどうか? 本当に(恵は)いたのか? ひょっとしたら幻だったんじゃないか? という印象を映画で持たせられたらいいなと思ったんです。彼女のために2人でひとりを生きたと解釈すると、いままでにない双子の解釈になるんじゃないか? と思い、福士くんもそこに同意してくれました。
この監督の言葉からは、単なる双子役の演じ分けを超えた、より深いテーマ性や心理描写が本作に込められていることが分かります。
感動の生演奏!カリンバが紡ぐ「楓」の音色
そしてこの日は、青木さんが以前から特技としている楽器の「カリンバ」で、行定監督のために「楓」を生演奏するというサプライズも!行定監督はすかさず、スマホで青木さんの演奏の模様を撮影していました。美しい音色による「楓」に客席では涙する人も…。行定監督も「僕も泣けましたね。鳥肌が立ちました。(映像を)YouTubeに流していいですか?すごく良いですね!」と興奮気味に感動を口にしていました。会場全体が「楓」の音色に包まれ、音楽と映画の垣根を越えた、まさに“楓”尽くしの時間となりました。
編集部まとめ:『楓』が心に響く理由
トークの最後に青木さんは「僕は出てないんですけど…(苦笑)」と恐縮しつつ、「今日の行定監督の話を聞いただけで、また見え方が変わってくると思うので、もう1回見ようと思っています。ぜひみなさんも、もう一度、いや2度観ていただければと思います」と、再鑑賞を熱く呼びかけました。
行定監督は、青木さんの熱いトークに「(映画に)青木マッチョが出ているような気持ちがすごいです(笑)。映画の中の余白を青木マッチョさんが全部埋めてくれましたが、そういうことがみなさんにもあるといいなと思っていて、スピッツ的な何か――与え過ぎていない余白をみなさんが『こういうことだったんじゃないか?』とか。いろいろ、やるせないこともあるけど、映画を観たり、音楽を聴くと、いろんなことを思って、それが自分の肥やしになっていく――。この映画もそういう映画だと思っているので、気持ちを解放して、緩やかに観ていただいて、ちょっとだけ感情が揺れるものが見つかれば嬉しいなと思っています」と語り、温かい拍手の中、トークイベントは幕を閉じました。
映画『楓』は、スピッツの名曲を原案としながらも、その楽曲が持つ「余白」を大切にし、観る人それぞれが自身の経験や感情を重ね合わせられるような、深い感動を与えてくれる作品です。ぜひ劇場で、この冬一番の感動を体験してください。
映画『楓』作品情報
ストーリー
僕は、弟のフリをした。君に笑っていてほしくて。
須永恵(福士蒼汰)と恋人の木下亜子(福原遥)は、共通の趣味の天文の本や望遠鏡に囲まれながら、幸せに暮らしていた。しかし朝、亜子を見送ると、恵は眼鏡を外し、髪を崩す。実は、彼は双子の弟のフリをした、兄・須永涼だった。1ヶ月前、ニュージーランドで事故に遭い、恵はこの世を去る。ショックで混乱した亜子は、目の前に現れた涼を恵だと思い込んでしまうが、涼は本当のことを言えずにいた。幼馴染の梶野(宮沢氷魚)だけが真実を知り涼を見守っていたが、涼を慕う後輩の日和(石井杏奈)、亜子の行きつけの店の店長・雄介(宮近海斗)が、違和感を抱き始める。二重の生活に戸惑いながらも、明るく真っ直ぐな亜子に惹かれていく涼。いつしか彼にとって、亜子は一番大事な人になっていた。一方、亜子にもまた、打ち明けられない秘密があったー。
愛するからこそ、伝えられなかった想い。
めぐる季節の中で明らかになる、あまりにも切ない真実に、驚きと涙がとまらない。
クレジット&ビリング
■タイトル:『楓』
■出演:福士蒼汰 福原遥
宮沢氷魚 石井杏奈 宮近海斗
大塚寧々 加藤雅也
■監督:行定勲
■脚本:髙橋泉
■原案・主題歌:スピッツ「楓」(Polydor Records)
■音楽:Yaffle
■プロデューサー:井手陽子 八尾香澄
■製作:映画『楓』製作委員会
■制作プロダクション:アスミック・エース C&Iエンタテインメント
■配給:東映 アスミック・エース
■コピーライト:©2025 映画『楓』製作委員会
■公開表記:大ヒット上映中!
2025/日本/カラー/120分/シネスコ/Dolby5.1c
著者
あつめでぃあ編集部
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